アサギマダラ

アゲハチョウ上科 Papilionoidea
本種はステロイド系やアルカロイド系の有毒成分を体内に蓄積して天敵から身を守る毒蝶・マダラチョウ亜科・アサギマダラ属の一種。本種は前翅が黒褐色、後翅が赤褐色である翅脈と外縁部の縁取りを有し、半透明の淡い青緑色(浅葱色)の斑模様がステンドグラスのように光を透過する美しい種で、半透明部分は鱗粉が殆ど無いことによる。幼虫は有毒なキジョラン、コモメヅル、イケマなどのキョウチクトウ科植物を食しステロイド系の有毒成分であるカルデノリド(Cardenolide)を体内に蓄積、その有毒成分は成虫まで引き継がれる。成虫になってからも別の有毒成分であるピロリジジンアルカロイド(Pyrrolizidine alkaloid)をフジバカマ、ヨツバヒヨドリなどのキク科植物の花の蜜から取り込み続けて身を守るのに加え、特にオスはこれを性ホルモンに変換してメスを引き寄せることに利用している。また本種は1,000~2,000kmの長距離を移動する”渡り”を行うことでも知られ、春~初夏に南西諸島や台湾などから北上して涼しい日本国内の標高の高い山地などで夏を過ごし、秋にまた南方の温暖な南西諸島や台湾などに南下して冬を過ごす。 撮影:Nov.2021 @静岡
食草であるキジョランの葉上の本種の幼虫。 撮影:Jul.2013 @東京